岡田茂吉師と芸術

岡田茂吉師(明主様)は、神様の御目的である理想世界とは真善美完き世界であり、常に『天国は芸術の世界なり』と言われ、芸術を非常に重要視されました。

明主様は、魂の曇りを減じ、心の獣性を和らげ、魂を向上させることが、難行苦行や災害などの苦しみによる場合、善徳を積むことの外に、高い芸術の感化によってできることをお説きくださいました。

作者(芸術家)の魂が、文学、美術、音楽、演劇、舞踏、映画等を通じて、一人でも多くの人間を楽しませるとともに、それらの人々の魂に働きかけ、魂を浄め、心のレベルをより高く、より善に、より美しくさせ、文化をより豊かにするのが真の芸術の使命であります。その使命を完うするために、芸術家は一般人よりも、最も高い品性を持し、魂を浄まらせていただかなければならないことをお説き下さっております。浄まった芸術家によって造られ、創作性、客観性、高度の技術などがかね備わった時に、それを最も高い芸術品として位置づけておられるようであります。

例えば、明主様は日本美術における真の芸術家の代表として、尾形光琳(1658-1716)をはじめとして、光悦、宗達、乾山、仁清をあげておられます。

またこれらに準ずるものとして、いくつかの仏教美術などをあげておられます。仏教美術は礼拝の対象物(仏像)あるいは礼拝のための建物でありますから、真の(観るためだけに作られた)芸術品とはいえませんが、純粋な芸術品を観賞できる機会の少ない現在においては、高い仏教美術に接することは大変有意義なことであります。

明主様は、日頃誰にでも高い芸術にふれられる機会を作ることに非常に努力されたのであります。

多田 光行
(黎明教会初代会長)
黎明教会資料研修館 〒606-8311 京都市左京区吉田神楽岡町3-6